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There Is No Place Like Home (我が家に勝るものなし)♪

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北九州小倉在住の  【ハウスキーピングDeux】のつぶやき

「再会の食卓」&「戦火の中へ」

「時代に翻弄されて・・・」のテーマを持つ2本立てを、
いつもの昭和館に観に行く。

再会の食卓」(’10)
ベルリン映画祭の銀熊賞受賞の中国映画。
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大陸が中華民国から中華人民共和国に変わろうとする時、
国民党は台湾に逃げて行った。
ある若い夫婦がこの出来事で引き裂かれ、50年以上の月日が経とうとしていた。
その時おなかの中にいた子供まで認知してくれた、現在の夫と家庭を営んでいる中、
台湾から元の夫が帰ってくる・・・

耳馴染みのある唱歌「旅愁」を、小学校の授業で生徒らが歌うシーンがある。
あれ、日本の歌じゃなかったのね。
アメリカ人、ジョン・P・オードウェイが作曲したものを、犬童球渓が作詞。

更け行く 秋の夜 旅の空の
わびしき想いに ひとりなやむ
恋しやふるさと なつかし父母
夢にもたどるは 故郷(さと)の家路

窓うつ嵐に 夢もやぶれ
はるけき彼方に 心迷う
恋しやふるさと なつかし父母
思いに浮かぶは 杜(もり)の木ずえ

字幕の中国語訳には気をつけて観なかったけど、
日本語のように切なかったんだろうか。
原詩は旅愁のような侘しさはなく、
故郷を穏やかな気分で回想するようなものだったとか。
どちらにしろ、
半世紀ぶりに大陸の土を踏む台湾人夫の心情とオーバーラップしたんだろう。

戦火の中へ」(’10)
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けっこー面白く観ましたね。
まず、私は韓国語が好きだってことを実感したのだ。
「再会の食卓」の日本語訳をハングルに置き換えて遊びながら観たのだけど
(つまり、それほど面白くなかった)、
次のこの映画に流れる韓国語になんだか嬉しくなって。
まあ、韓国語を学ぶ現在なので素直な感想であって。

「アイリス」では北の要員キム・スンウと殺し屋T.O.Pが
今度は朝鮮戦争での北の南侵に真っ向から立ち向かう、
韓国軍と学徒兵に扮している。
BIGBANGラッパー君、T.O.Pがうまい。
「再会の食卓」&「戦火の中へ」_a0176188_1041657.jpg

                  (殺し屋T.O.P)

                  (学徒兵T.O.P)
眼が語っているのだ。あの眼光をもっと活かして、どんどん映画に出てくれ。
当時16歳、中学3年生の、母に宛てた手紙が元となった、
朝鮮戦争における学徒出陣に光を充てたトゥルーストーリー。
日本も韓国も「学徒出陣」は重く哀しい。
どちらも圧倒的に戦力不足故の徴集だったのだ。

最初に観た「リベラ・メ」(’01)の印象に通じる、チャ・スンウォンの超越した残酷性。
クォン・サンウも悪くはないんだけど、
三十代半ばという年齢を知っているだけに、
他の俳優のキャスティングは考えられなかったのかな。

同じ朝鮮戦争モノなら「ブラザーフッド」があるけど、あれよりいい。
韓国映画ならではの”泣かせ”のテイストは共通しているのだが
(でも泣いてはいない)、
やっぱり主役の魅力でしょう。

(Y.F.)
【整理収納アドバイザー Deux】
by seirisyunou-deux | 2011-09-18 10:08 | 映画(昭和館)

by 藤崎 裕子