2016年 08月 09日
「サウルの息子」「あの日の声を探して」@昭和館
「戦後71年 平和について考える2本立て」の重い二本です。。。。
第68回(2015)国際映画祭でグランプリ、
第88回(2016)アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。
カンヌではグランプリとパルム・ドールは別物。
パルム・ドールはフランス映画「ディーパンの戦い」、
グランプリがこのハンガリー映画「サウルの息子」。
アウシュビッツ解放70周年を記念して製作されたそうだ。
ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を描いている・・・・というだけで、
尻込みしたくなるんだけど、
絶対的信頼を置く、高校時代の友人が「オススメする」とあればね。
私の映画好きは彼女なくしては始まらないわけだから。
ハンガリー系ユダヤ人、サウルがアウシュビッツ収容所で
「ゾンダーコマンド」として働く。
同胞のユダヤ人の処理(ガス室への誘導から遺体の焼却、灰の処分まで)に当たる
特殊部隊をそう呼ぶ。
ナチスが楽したい為に選んだ男性たちであるが、
最終的には彼らにも死が待っている。一時的に延命されているだけ。
サウルの表情だけをカメラがずっと追っていて、
背景はぼかされている。
服を強制的に脱がされてガス室に追いやられる、大勢で構成される「背景」は。
ガス室の壁を叩く音は極限にまで高まり、
こちらの心臓をえぐるよう。
しかし、サウルに「息子」がいたのか・・・?という疑問は残る。
二本目の「あの日の声を探して」。
こちらはまだ救いがあって、二本目(後)でよかったと思う。
2012年のアカデミー賞作品「アーティスト」の監督と女優夫妻が
今度は全くタイプの違う映画を作った。
サイレントのロマンチック・コメディとは真逆の、
今もどこかで起きている戦争について。
アウシュビッツは実質「過去」のものになったのに。
オリンピックが開催されても、それは建前の「平和」なのかな。
アサド大統領率いるシリアは国を代表する選手たちを送ったわけだから。
聞いたことはある、チェチェン共和国(この程度ですみません)。
ソビエト連邦から独立した国は多いが、チェチェンは今もロシアの左の端っこに
属している。
離脱か残留か・・・って最近のニュースは紳士の国イギリスだからこそ、
実質的衝突もなくその結果を重視する。
ところが、あのソ連解体時に、離脱か残留か・・・で争ったのがチェチェン。
ちょうどエリツィンからプーチンへ大統領移行期に、
強気なプーチンがチェチェンへロシア軍を援軍として送り、人々の血が流される。
(あー、後のウクライナと同じ図式・・・)
なので、この紛争は映画を観ているほとんどの人が生きている時代のこと。
EUの職員である、ベレニス・ペジョは彼の地の状況について、
ブリュッセル本部で切々と訴えるのだが、人々はあまり関心がない風。
実際もそうだったのだろうか。
EUには優先的に解決すべき課題が山積み、チェチェンに関わってはいられない・・・と?
最初ニット帽かぶっていたから、性別不明だったハジ(実は男の子)。
最初ビージーズに無反応だったのに、
彼女が見てないところでひとりダンスする。いつの間に!
ハジの思わぬ才能を盗み見た気分!
チェチェンでたくさんの「ハジ」がどうか幸せに生きていますように。
【家のお片付けや家事代行のご要望はこちらへ==>Deux】
第68回(2015)国際映画祭でグランプリ、
第88回(2016)アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。
カンヌではグランプリとパルム・ドールは別物。
パルム・ドールはフランス映画「ディーパンの戦い」、
グランプリがこのハンガリー映画「サウルの息子」。
アウシュビッツ解放70周年を記念して製作されたそうだ。
ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を描いている・・・・というだけで、
尻込みしたくなるんだけど、
絶対的信頼を置く、高校時代の友人が「オススメする」とあればね。
私の映画好きは彼女なくしては始まらないわけだから。
ハンガリー系ユダヤ人、サウルがアウシュビッツ収容所で
「ゾンダーコマンド」として働く。
同胞のユダヤ人の処理(ガス室への誘導から遺体の焼却、灰の処分まで)に当たる
特殊部隊をそう呼ぶ。
ナチスが楽したい為に選んだ男性たちであるが、
最終的には彼らにも死が待っている。一時的に延命されているだけ。
サウルの表情だけをカメラがずっと追っていて、
背景はぼかされている。
服を強制的に脱がされてガス室に追いやられる、大勢で構成される「背景」は。
ガス室の壁を叩く音は極限にまで高まり、
こちらの心臓をえぐるよう。
しかし、サウルに「息子」がいたのか・・・?という疑問は残る。
二本目の「あの日の声を探して」。
こちらはまだ救いがあって、二本目(後)でよかったと思う。
2012年のアカデミー賞作品「アーティスト」の監督と女優夫妻が
今度は全くタイプの違う映画を作った。
サイレントのロマンチック・コメディとは真逆の、
今もどこかで起きている戦争について。
アウシュビッツは実質「過去」のものになったのに。
オリンピックが開催されても、それは建前の「平和」なのかな。
アサド大統領率いるシリアは国を代表する選手たちを送ったわけだから。
聞いたことはある、チェチェン共和国(この程度ですみません)。
ソビエト連邦から独立した国は多いが、チェチェンは今もロシアの左の端っこに
属している。
離脱か残留か・・・って最近のニュースは紳士の国イギリスだからこそ、
実質的衝突もなくその結果を重視する。
ところが、あのソ連解体時に、離脱か残留か・・・で争ったのがチェチェン。
ちょうどエリツィンからプーチンへ大統領移行期に、
強気なプーチンがチェチェンへロシア軍を援軍として送り、人々の血が流される。
(あー、後のウクライナと同じ図式・・・)
なので、この紛争は映画を観ているほとんどの人が生きている時代のこと。
EUの職員である、ベレニス・ペジョは彼の地の状況について、
ブリュッセル本部で切々と訴えるのだが、人々はあまり関心がない風。
実際もそうだったのだろうか。
EUには優先的に解決すべき課題が山積み、チェチェンに関わってはいられない・・・と?
最初ニット帽かぶっていたから、性別不明だったハジ(実は男の子)。
最初ビージーズに無反応だったのに、
彼女が見てないところでひとりダンスする。いつの間に!
ハジの思わぬ才能を盗み見た気分!
チェチェンでたくさんの「ハジ」がどうか幸せに生きていますように。
【家のお片付けや家事代行のご要望はこちらへ==>Deux】
by seirisyunou-deux
| 2016-08-09 18:17
| 映画(昭和館)